【ΓΕΝ】第4回トークセッション「観光とは?」<レポート>

<テーマ> 観光とは?

<テーマリーダー> 上田ブランド研究所

第4回のトークセッションは、上田ブランド研究所からテーマを提案しました。

長野大学の環境ツーリズム学部に所属する大学生たちにとって「観光」という言葉の定義がどんなものなのか、お互いに話し合ってもらいました。

今回は、その内容をそれぞれに10分以内のプレゼンという形でまとめてもらいましたので、動画にてご紹介します。

河野光佑

観光とは、終わりのある非日常でのあらゆる経験をすること

渡辺真央

観光とは、余暇の中で娯楽を得るための、期間の決まった非日常の活動で、物理的、または空間的に行動して行うもの。

今西健太

観光とは、心理的距離が遠い場所かどうかが問題である。

第4回のまとめ

三者三様の受け止め方、考え方、そして切り取り方が存在しているのがとても興味深い結果となりました。

現在の日本には「定量的な研究が可能となるような定義がない」ということを感じ、観光の定義をする必要性においては「観光の全体をとらえるため」であることに気付けたことは大きな発見と言えます。

日本語の「観光」という言葉は、英語に置き換えると「travel・trip・journey・tour」など、いくつもの違った単語で表現されるように、日本で一言に観光と言ってもその使い方は思っているよりも複雑なものであることがわかります。

そんななかで、今回、共通していた面白い捉え方の一つとして「心理的距離」という考え方です。

観光という事象を成立させるためにはどんな要素が必要なのか、という論点で話が進んでいたことが想像できますが、物理的な距離の長さで観光が説明しきれないという壁にぶつかったことでこのような表現を用いたのだと思います。

新型コロナウィルスの感染拡大防止と観光の共存を検討するなかで提唱された「マイクロツーリズム」がまさに、この心理的距離という考え方の延長線上にあるものとして、さらに深く検討を重ねることが出来るのではないでしょうか。

今回のトークセッションによって、これから観光を考えていく際には

非日常と心理的距離

が、大きなキーワードになっているという研究成果となりました。

観光という言葉がとても広い意味での使われ方をしていることをしっかりと理解し、自分がどんな立場で、どのような目的で使おうとしているのかを明確にすることで、イメージのすれ違いを防止していくことも、今後の観光振興において重要なミッションであると思います。